分詞の形容詞的用法(叙述用法)
現在分詞、過去分詞の「~している」「~された」という意味は、単純に名詞を修飾するだけでなく、ある名詞が『どんな状態であるか』ということを表すためにも使えます。これによってその分詞は補語の役目をすることができます。(補語ってなんや?という人はここをクリック)
下の例を見てください。
S+V+Cの文型(文型についての説明はここ)
- She sat waiting for him.(彼女は座って彼を待っていた)
「彼女は座っていた」という文に、現在分詞を使って「彼を待ちながら(待っている状態で)」というように、『どういう状態で座っていたのか』という意味を付け加えています。
- She kept crying for an hour.(彼女は1時間泣きつづけた)
この文中の keep は、「(ある状態を)保つ」という意味です。ここでは、cryingという現在分詞によって、「泣いている状態」を保つ、すなわち「泣きつづける」という意味になります。
- My mother looked disappointed with the result of the test.(母はテストの結果にがっかりしているようだった)
disappoint は「失望させる」という意味ですから、過去分詞の disappointed は「失望させられた、失望した」という状態を表す意味になります。ですからこの文の意味は「失望させられた状態であるように見えた」すなわち、「がっかりしているようだった」という意味になるわけです。
S+V+O+Cの文型(文型についての説明はここ)
- The teacher kept me running.(先生は私を走らせつづけた)
この文中の keep は、「~を(ある状態に)保つ」という意味です。ここでは、runningという現在分詞が、「走っている状態」を表す形容詞として使われています。
- You should leave him sleeping until his father comes.(父親が来るまで彼を眠らせておいた方がいい)
leave は、「~を(ある状態)のままにしておく」という意味です。ここでは「彼」を「眠っている状態」のままにしておくこと、つまり「眠らせておく」となります。
- I saw the birds flying to the south.(私は鳥たちが南に向かって飛んでいるのを見た)
この場合のflyingは、「飛んでいる状態」を表します。したがって「私が見た」のは、「飛んでいる鳥たち」だということになります。
- He made me disappointed.(彼は私を失望させた)
上にも出てきたように、disappoint は「失望させる」という意味ですから、過去分詞の disappointed は「失望させられた、失望した」という状態を表す意味になります。ですからこの文の意味は「彼は私を失望させられた状態にした」すなわち、「彼は私を失望させた」という意味になるわけです。
- You should have your hair cut shorter.(君は髪をもっと短く切ってもらったほうがいい)
ここでのhave はいわゆる使役動詞で、「~してもらう」という意味です。 have + 目的語 + 分詞 は「~を(ある状態に)してもらう」ということですから、この文は「髪を」「切られた状態に」「してもらう」→
すなわち「切ってもらう」ということになります。(ちなみに、ここでの
cut は過去分詞です。念のため)