受動態は、「~される」という、受け身の意味を表すものです。

意味としては受け身でも、日本語で考える場合には必ずしも「~される」とはならない場合もあるので、柔軟な思考をする必要があります。


受動態ってどんなの?

 受動態は、be + 動詞の過去分詞 という形で表わします。
 (完了形(have + 動詞の過去分詞)と混同しないように気をつけてください)

例:He killed his wife.(彼は妻を殺した
  He
was killed by his wife.(彼は妻に殺された


どういうときに受動態を使う?

 英語に限らず、どんな言語でも主語が文の中心になります。

I read this book.(私はこの本を読む)
この場合、「私」が話の中心であり、自分の行動を説明するわけですから、これを
This book is read by me.(この本は私に読まれる)
などと説明するのはおかしな話です。

逆に、

This book is read all over the world.(この本は世界中で読まれている)
という文は、世界中で読まれているというその本の「すごさ」を説明しているわけで、話の中心が「本」なのです。こういう文こそ、受動態でしか書けない文なのです。また、ここでは「誰が読むか」ということはまったく問題ではないので、
by ~ という説明も必要ありません。

 (注:上のreadは、青字が現在形赤字は過去分詞であることに注意)

 


いろいろな受動態

 現在形

  • She is loved by the people.(彼女は人々に愛されている)
  • Spanish is spoken in Mexico.(メキシコではスペイン語が話されている)
  • Mr. Kameyama is respected by the students.(亀山先生は学生に尊敬されている)(ホントかよ)

 

 否定形

  • You are not loved by her.(おまえは彼女に愛されてはいない)
  • Spanish is not spoken in Japan.(日本ではスペイン語は話されていない)
  • Mr. Kameyama is not respected by the students.(亀山先生は学生に尊敬されていない)(こっちがホントらしい)

 

 過去形

  • She was killed.(彼女は殺された)
  • The door was opened.(扉が開かれた)
  • Those books were burned.(それらの本は焼かれてしまった)

これらの例でわかるように、by ~ という語句は、必ずしも必要ではありません。「だれが~したのか(誰によって~されたのか)」ということを表す必要がある場合にのみ書けばよいわけです。

 

 助動詞付き

  • His new CD will be released next week. (彼の新しいCDが来週リリースされる)
  • He may be killed by her wife. (彼は妻に殺されたのかもしれない)
  • The sea can be seen from here.(ここから海が見える)
  • This room should be closed at night.(この部屋は夜は閉じられるべきだ)

 

 目的語・補語がある

  • She was given a watch by her father.(彼女は父から時計をもらった)
  • We are taught English by Mr. Kameyama.(私たちは亀山先生に英語を教わっている)
  • The dog is called Pochi(その犬はポチと呼ばれている)
  • He was elected the captain by the members.(彼は部員によってキャプテンに選ばれた)

進行形の受動態

進行形(~している)は、be + ~ing で表します。また、受動態(~される)は be + 動詞の過去分詞で表しますね。この2つを組み合わせて、「~されている」という意味を表すことができます。このときは be being ...ed となります。

例:They are building a new bridge.(彼らは新しい橋を作っている
  A new bridge
is built.(新しい橋が作られる
         ↓

   A new bridge is being built.(新しい橋が作られつつある