原形不定詞
下の2つのせりふを比べてください。
- I want him to sing the song.(彼にその歌を唄ってほしい)
- I hear him sing
the song.(彼がその歌を唄っているのが聞こえる)
この2つの文の大きな違いは、1の不定詞部分が通常の不定詞(to + 動詞の原形)という形になっているのに対し、2は原形不定詞(to がない不定詞)になっているということです。
なぜこうなるか、その鍵は、文の主語 + 動詞の部分の動詞にあります。
このような原形不定詞を使うのは、文の主動詞が次のような動詞の場合です。
知覚動詞(感覚についての動詞) |
使役動詞
(「~させる」という意味になるもの) |
see(~が...するのが見える)
watch(~が...するのを見る)
hear(~が...するのが聞こえる)
feel(~が...するのを感じる)
smell(~が...する匂いがする)
listen to(~が...するのを聞く) |
make(~に...させる)
let(~が...するのを許す)
have(~に...させる、してもらう) |
知覚動詞も使役動詞も、それほど数は多くないので、下の例文を見てパターンを覚えてしまいましょう。
- We saw the snake crawl up the tree.(私たちはヘビが木に登るのを見た)
- I heard the door close suddenly.(私は突然ドアが閉まる音を聞いた)
注:こういう場合、hear
だけで「~の音を聞く」という意味なので、「音」という単語を書く必要はない。
- We felt the floor shake.(私たちは床がゆれるのを感じた)
- He made us wait
for thirty minutes.(彼は私たちを30分待たせた)
- Please let me take
some pictures.(写真を何枚か撮らせてください)
不定詞を使った表現いろいろ
不定詞の否定
不定詞はto ~で1セットですから、これを否定形にするにはその前にnotをつけてnot to ~とします。ついついto not ~と書きたくなりますが、それは間違いです。
- I promised not to tell a lie.(私は嘘をつかないことを約束した)
- He studied hard not to fail the examination.(彼は試験に失敗しないように、一生懸命勉強した)
too ... to 不定詞
- You are too young to smoke.(あなたはタバコを吸うには若すぎる →
あなたはまだタバコを吸う年齢にはなっていない)
- That question was too difficult for me to answer.(あの質問は私が答えるのには難しすぎた
→ あの問題は難しすぎて私には答えられなかった)
- The car was too expensive for
you to buy now.(その車は君たちが今買うには高価すぎる →
その車は高すぎて今の君たちには買えない)
疑問詞 + to 不定詞
what, when, where, how などの疑問詞の直後に to 不定詞が続くと、「疑問詞の意味を含んだ名詞句」の働きをします。たとえば、what
to ~ ならば、「何を~するか(ということ)」、あるいは how to ~
ならば,「どのように~するか(ということ)」という意味になります。
- Please tell me what to do.(何をすればよいのか教えてください)
- Nobody knew when to start the work.(その仕事をいつ始めればよいのか誰も知らなかった。)
- My father taught me how to
swim.(父が私に泳ぎ方を教えてくれました)