動名詞と不定詞
「~すること」という意味を表すためには、不定詞を使うこともできます。
- I like watching TV.
- I like to watch TV.
この2文はどちらも「私はテレビを見ることが好きだ」という意味です。(多少のニュアンスの違いはありますが、ここでは詳しいことは省略します)
しかし、いつでも、どんな場合にも動名詞と不定詞のどっちでもいいかというとそういうわけには行かないのです。
たとえば、
- I finished writing a
letter.(私は手紙を書き終えた)
これは正しい文なのですが、
- I finished to write a
letter.
という文は存在しません。
なぜなら、「~を終える」という意味のfinishという動詞は、不定詞が嫌いなのです。どうしてかと聞かれても困ります。どうしても、です。
このような、不定詞嫌いの動詞は、finishのほかにもあります。いちばん下の表を参考にして下さい。
不定詞嫌いの動詞があるなら、動名詞嫌いの動詞もあるんじゃないかと思った人、その通りです。
- I decided to study more.(私はもっと勉強すると決心した)
これは正しい文ですが、
- I decided studying more.
という文は存在しません。
不定詞嫌い、動名詞嫌い、どちらも好きのほかに、なんと、相手によって態度を変えるという、優柔不断な動詞があります。
たとえばremember(覚えている、思い出す)という動詞の場合、目的語が不定詞だと「~することを覚えておく、忘れないように~する」という意味になります。
- Please remember to lock the door.(ドアをロックするのを忘れないでね)
- I will remember to call you tonight.(忘れないように今夜電話するよ)
ところが、目的語が動名詞になると、「~したことを覚えている」という意味になります。
- I don't remember locking the door.(そのドアをロックした覚えがない)
- I remember calling her last night.(ゆうべ彼女に電話したことを覚えている)
という意味になります。
動名詞だけを目的語にとる
(不定詞嫌いの)動詞 |
不定詞だけを目的語にとる
(動名詞嫌いの)動詞 |
動名詞と不定詞とで意味が違う動詞 |
enjoy(~することを楽しむ) finish(~することを終える)
stop(~することをやめる)
mind(~するのを嫌がる)
avoid(~することを避ける)
give up(~するのをあきらめる) |
want, hope(~したい) decide(~する決心をする)
promise(~する約束をする)
expect(~するつもりである) |
remember ...ing(~したことを覚えている) remember to
...(忘れずに~する)
forget ...ing(~したことを忘れる)
forget to ...(~するのを忘れる) |
これらの動詞は、全体の一部です。他にもたくさんあるので、使い方を迷った場合は、ちゃんと辞書で調べましょう。